子どもの発音はいつ完成する?年齢別の発達の流れを言語聴覚士が解説

ことばの発達について

はじめに:発音が気になる親の「よくある悩み」

「3歳だけどまだサ行が言えない」「うちの子だけ遅れている?」

「3歳になったのに『サ行』が『タ行』になってしまう」「同じ年齢の子はもっとはっきり話せているのに…」と不安になる保護者の方は少なくありません。

実は、子どもの発音には発達の順序と目安時期があり、年齢ごとに言いやすい音・まだ難しい音があります。周りと比べて焦る必要はありませんが、発達の流れを知っておくことで安心でき、必要なときに専門的な支援につなげやすくなります。

発音の発達の流れと完成時期

年齢の目安発音しやすくなる音の例特徴・注意点
2~3歳母音(あ・い・う・え・お)、パ行・バ行・マ行など唇を閉じて出す音が安定。「ママ」「パン」など身近な言葉で発音が聞き取りやすくなる
3~4歳カ行、タ行(一部)舌を上あごに当てる音が出やすくなる。「カエル」「タコ」などがはっきりする。ただし「チ」「ツ」はまだ難しい場合あり
4~6歳サ行、ラ行、ガ行、ザ行などの濁音最もつまずきやすい音が登場。「サ」が「シャ」になる、「ラ」が「ダ」に近くなるなど誤りが多いが、成長に伴って整っていく
小学生低学年すべての音会話に支障のないレベルまで完成。細かい誤り(ラ行の巻き舌、サ行など)は残ることもあるが、多くは自然に修正される

2~3歳:母音・パ行・マ行などが整う

2歳を過ぎると、「あ・い・う・え・お」といった母音や、「パ・バ・マ」など唇を閉じて出す音が安定してきます。「パパ」「ママ」「アンパン」など身近な言葉でしっかり聞こえるようになる時期です。

3~4歳:カ行・タ行など

3歳を過ぎると、舌を上あごに当てる「カ行」や「タ行」が使えるようになります。ただし、まだ「チ」「ツ」などは言いにくく、「チーズ」が「チージュ」になったりすることもあります。

4~6歳:サ行・ラ行・濁音など

4歳ごろから、もっともつまずきやすいサ行やラ行が登場します。サ行は舌の位置のコントロールが難しく、「サ」が「シャ」になったり、「スイカ」が「チュイカ」になったりすることも珍しくありません。また、「ガ行」「ザ行」などの濁音も少しずつ正しく出せるようになっていきます。

小学生低学年:微妙な誤りが修正される

小学校に上がるころには、ほとんどの音が整ってきます。ただし、「ラ行の巻き舌」など細かい癖が残る子もいますが、会話には支障がなく、成長とともに自然に改善するケースも多いです。

発音が育つためのポイント

舌や唇の運動について

発音は「舌・唇・あご」の動きと大きく関わっています。日常の食事(よく噛む、ストローを使う、ふうっと息を吹く)も、口の動きを育てる大切な要素です。

聞く力の発達について

正しく発音するためには、まず正しい音を聞き分ける力が必要です。耳で聞いた音と、自分が出した音を比べることで少しずつ修正できるようになります。

模倣・遊びの影響について

子どもは「まねっこ」が大好きです。親がはっきりと話してあげたり、歌や手遊びで繰り返し音に触れることは、自然な発音のトレーニングになります。

まとめ

発音発達には幅があるため「焦らなくて大丈夫」

子どもの発音は、年齢とともに自然に整っていくことがほとんどです。「まだ言えない音がある」と気になるときも、成長の幅を知っていれば安心して見守ることができます。

不安な時は相談してOK

ただし、「周りと比べて極端に遅れている」「会話が聞き取りにくい」と感じる場合は、
・保健センターの発達相談
・小児科
・言語聴覚士がいる医療機関
などで相談するのがおすすめです。
早めに相談することで安心でき、必要な支援につながります。

特に「カ行」「サ行」「ラ行」は多くの子どもがつまずく音です。次回の記事では、これらの音がなぜ難しいのか、どんな特徴があるのかを具体的に解説していきますね♪

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